「さいごの町」

00: それが最良の方法だと言うように、少女は

01: 空は曇天で、それはいつものことだった。

02: 可能性の閉ざされた町で

03: 列車はどこから来て、どこへ帰るのか。

04: 何年も、何百年も、永遠に、同じ事を繰り返している。

05: 線路症候群についての話

06: 町は、青ざめて、非現実的に静まり返っている。

07: ほぼ轢死体になるか、諦めて引き返すか。

08: それが彼の一日で、その繰り返しで一年が出来ていた。

09: 未だ、蕾の、開花を待つ少女は。






[2010/Text:Little Curly/Illust:小鳥遊ちひろ]